朝焼け……かあ。それ、好きな色だな。[そんな風に笑って。赤い声、というのは、よくわからなかったけれど。自分の声の表現には、何となく、長く伸ばしている髪を摘んで、くるり、と捩ったりしつつ]なんだか、タンポポみたいな色合いだね。[そんな風に言って、また、笑った。飾り気のない笑い方は、本当に気心知れた者にしか見せないもので。それを見せる相手は、今も変わってはいない]