[綺麗な髪の間から見える耳朶が染まっているのにくすくすと笑みを深め。
肘に触れさせた手はそのままに、必要以上に寄り添うのは刺激が強そうだとやめておいた。
低く告げられる言葉に態とらしく瞳をまたたかせて]
あら、ほんとにきても大丈夫なのに?
――まあ、ベルナルトはからかわれるのに慣れて無さそうだから、やめておいてあげるわ。
[ゆるりと肩をすくめて、ふられちゃったかも、と後ろにいるアレクセイを振り返って軽口をたたく。
階段を下りて1階廊下へとたどり着いた時に、ふと物陰からショールの裾が見えた気がして]
――アタシちょっと、用事。
[するりと気紛れな猫のようにベルナルトの傍から離れて、二人に先に行ってと手を振った]