―回想:2階・個室―[エーリッヒの願いとは裏腹に、いやむしろ予想通りに事態をややこしくした少年は、ノックの音を聞いてはぁいと声を上げた。寧ろ読みながらなので、誰とかの認識はない]開いてます、どうぞ。……って[顔を上げた瞬間に、視界に入った人の姿。すぐに目が釣りあがった]不潔。[当然、説得力のない言葉は一言で切り捨てた。うさんくさいというより、親の敵でも見るような、いや心の神の敵でも見るような顔をしている。少年の心中そのままだが]