可愛い弟分……ねぇ。[笑うユリアンの様子に、苦笑めいたものが掠めるだろうか。街で必死で生き抜こうとする姿に、つい、面倒を見ていただけだったのだが。そんな事を考えつつ、部屋に戻る姿を見送って]……さてね。俺はそも、神なんてモノは信じちゃいないからな。[再び、男──ハンスに向けた蒼の瞳は、やや、鋭く。笑みの下の意図を察してか、口元には、薄い笑み]ま、正気の沙汰じゃねぇ、とは思ってる。今は、それだけだ。