―厨房―
[浴室から戻った男がいつからそこにいたのか、話し込んでいた二人は気付かなかったかもしれない。
様子を見て声を掛けたなら、エーファは少し驚いた様子>>110で、思い出したかのように食事の仕度を始めた。
その様子を見たライヒアルトが一言言い残し厨房を離れる>>123のに]
お願いします。
俺もまだ他の人たちに会っていないから。
[そんな風に頼んで見送って、エーファが遠慮がちにジャガイモを見つめ「皮むきを」と言うのに頷いて見せた]
それくらいならお安い御用だよ。
幾つくらい剥けばいい?
[問いかけて、必要なぶんだけを一度洗って皮むきを始める。
大事な指を傷つけないよう、少し慎重ではあったけれど
纏う気配は、それとはまた違ういろを孕んでいる]