─ 奥の部屋 ─
[ほとんどの人間は既に集まっていただろうか。
駆けつけたその場から、色濃く放たれる血の臭い。
その大元は、さっき、殺さなくて済むと安心した、相手。]
……なん、で。
ゆうさん、なんだよ。
[ふざけないで、と叫ぶ声>>125が遠く聴こえる。
そうだ、さっき一緒に居たじゃないか、ずるいって言ったじゃないか。
どうして死んでるんだよ、殺されてるんだよ、ふざけるなよ。
思いは声にならず、モモの手を取ってきたならば繋いだままのその手を無意識に強く握って。
そうでなければ、己の拳が白くなるほど、握り締めた。]