─三階・廊下─
[失ったと思っていたものとの思わぬ邂逅は、刹那、他へと意識を向けさせず。
場にいた者たちの異変に、すぐには気づけなかった]
……他生物との精神的感応状態の発生と、その維持。
無意識含む、思念的呼びかけによる意思の疎通。
植物とのそれは、可能であるかの考察と検証。
……確かに、その辺りもやってはいたが。
[文書を辿りながら、小さく呟く。
それは、成長促進の術を求めて派生した研究の一端。
それらが、この場で、何らかの形で利用されていたのだとしたら。
微か、募るのは苛立ち。
そんな状態から、意識を現に呼び戻したのは、研究室からの呼び声>>115]