─翌朝・洗濯小屋─
[残していた洗濯物を畳み終えてもまだ空は荒れていて。
嵐が過ぎたのはもう空が白み始めた頃、結局一睡もしないまま朝を迎えることとなった。]
…朝になっちゃったなぁ…まぁ、しょうがないか。
君も一晩付き合ってくれてありがとね。さ、お帰…あ、待って。
[本当は眠くもあるし精神的にも肉体的にも疲れているのだが、かといって仕事を休むわけにもいかず。
小屋の外に出ると大きく伸びをしてから蒼鷹を見、いつものように送り出そうとして引き止めた。]
ごめん、もうちょっと付き合ってくれないかな?
君のご主人様にお礼のお手紙を届けて欲しいんだけど、ちょっと買ってこないといけないものがあるから。
[天涯孤独の身の上で村の外と交流が無い自分には便箋など無用だったので買っておらず。
幼馴染の顔を見て安心したいという気持ちもあり、買いに行こうかと思ったのだ。
それを聞いた蒼鷹は何を思ったか、空になっている洗濯籠の中に自分から入ってこちらを見上げた。
その様子はまるで運んでいけと言わんばかりなので、きょとんとした後、首を傾げて問いかけた。]
えっと…連れてけってこと、かな?