[どこかで会った。それは間違いない。考えられる可能性は、一つ。そこを起点に、記憶を辿り]……確か。アーベル、だったか。写眞家、の。[言葉少なに、呼びかける。確か、あれは、『早朝の青』と『真昼の蒼』が咲いた時に。それを見に来た青年]……知り合いもいるらしい、とは聞いていたが。本当に、会うとはな。[零れる言葉はため息まじりではあるものの。天鵞絨色の瞳に宿るいろは、自称『園芸家』にしては珍しく*穏やかなもの*]