─ 2階 個室E ─んっとに、随分と懐かれたな、あん時に比べりゃ。[鞄から右手だけで着替えを引っ張り出しながら思い出すのは、ブリジットを引き取った時のこと。詳細は知らされず、両親を失った子だと告げられて引き取った当時、全く懐かれず、言うことを聞かず。そんなブリジットにはほとほと手を焼いた。当時、自分がまだ保父としての仕事が不慣れだったことを差し引いても、だ]