[そう言い、天板の上の細長くまだ熱い生地を、素手で天板から剥がしとると、端からくるくると巻き始めた。出来上がるのは薔薇の蕾のような、目の前の主に良く似合う可憐な菓子。赤や緑の不思議色な生地も、こうすれば美しく映えるが。]はいお味見どうぞ。[と、出来たばかりの普通のランドグシャをひとつ、ヘンリエッタのてのひらに乗せた。ヘンリエッタが味見するその間に、赤や緑はさっさと別に分けてしまう。おんなこどもに食べさせられないアレな物が混ざっているのは言うまでも無かった。]