[屋敷の裏手から聞こえたのはオトフリートの声>>11
ふらりと足を向ければ其処には
エーファとイヴァンが対峙する。
エーファの足元で威嚇する黒猫>>8に視線を落とし
イヴァンへと目を向ければその状況はすぐに理解できた。
二人と一匹の勝負の行方を見守ることしかできぬのがもどかしい。
体格からすれば、イヴァンが優勢に見え、
藁にも縋る思いで、奇跡を希う。
決着を見届けれど晴れやかな気持ちにはなれなかった。
カルメンのことまでは知らねど
イヴァンを手に掛けたエーファの心中を思う。]
――…すまない。
[謝罪の言葉が漏れる。
震えを帯びた彼の声>>24からもこれまで接した彼の在り方からも
負わずともよいと言われたものを背負うのは目に見えて、
それを代わることが出来なかった不甲斐なさに眉を下げる。]