[アラート音が耳に付く。
五月蝿いと次に目が開いたときには、目の前に主と自分がいて驚いた。]
あ………ぼっちゃ、ま?
[少しぽかんとした様子で声をかけたが、主がこちらに気づく事はない。
慰めるように、もう一人の動かぬ自分の頭を主が撫でる様をみて、ああそうか、自分は死んだんだとようやく理解出来た。
両手を見ると、ズューネの手。足もどこか固いように感じる。
そして右目には相変わらずの違和感。鏡を見る事は出来ないが、この目は赤いままなんだと思った。]
……死んだからって、元の姿にもどるわけじゃないのね。
[そう言いながら、立ち上がり。暫くの間主と自分の抜け殻をぼんやりと眺めていた。
大きくなられたな、と。傍からみて自分とくらべて、そんな事を思いながら。]