[ドクン、と、心臓が跳ねる。] ――、っ、ひ…。[人が、と言おうとしたのに引き攣ったような音ばかり。十字架とその影を映し、まあるく見開かれた眸に陰を作ったのはマテウスの右手>>131だった。はためいたそれは見覚えのある衣装だったように思うが結び付けることを本能的に拒絶して、思考が止まる。] マテウス、さん。[ゆっくりとマテウスの顔へ、不安げに揺れる双眸を向けた。]