思えばそれが真実。
思い込めば良い、逃げだと言おうが逃げれば良い。
行き着く先が幸せなら、それは逃げてるんじゃない。
幸せの方へ走ってるんだもの。
[拮抗から受け流された翼は、再度相手を追う。
火照る体、翼を冷却した反動で上がる体温。
その熱が、照り付ける熱を違和感なく錯覚するのを手伝って]
墜ちて、何が悪いの――?
無謀だなんて言って、そんなの――墜ちる恐怖に負けた人の強がりにしか聞こえない。
[墜ちるのは――大地に愛されてる証拠。
怖くなどあるものか]
墜ちる事ができないなら、永遠に大地に戻れないのに――!
[翼は翼の形を放棄し、酷い眩暈に膝は大地に折れる。
熱という熱を全て体に逃がして、保たれた翼は幾重にも分かれて
ブリジットの左右へと牙を広げた]