─ →宿一階 ─
[どうってことないと言われて>>128、ひとつ礼を取った。
恩を返す相手に肩借りるって情けねぇなと胸中で思いながらも、一人で降りるよりはずいぶん安定していただろう。
降りる最中に人の顔と挨拶が見えれたが、この現状では満足に応えられず視線を向けただけで。
テーブル席まで連れてこられると、そこに深く腰掛けて水を待った。
今は茶よりも、水のほうを体が欲していたので、注文しているイレーネを通してこちらも頼んでおいた。
水が届けば、一気に飲み干し、少し疲れたように目を閉じる。
飲み干しても、気も体調もあまり優れはしなかったが。]