――ほう。[声の温度が低くなった。口許だけが片側を上げた笑みの形に]口の利き方を知らんようだな。成程、頭の中身も外見通りの坊やということか。[口の利き方については他人のことは全く言えない。しかしいつの間にやら右手の指の間に、銀色の細い針が挟まっている]まあいい。灸を据えるついでだ――その皮を引っぺがしてやるとしよう。[言葉と同時に右手を振りかざし――4本の縫い針が、相手の足許目掛け次々と放たれた]