─昨夜/宿屋・食堂─
[赤毛の男性についてアーベルから言われれば、そうだね、と遠慮がちに頷いて。
ゲルダがお茶を淹れるのなら、自分も一緒にその準備を手伝った。
カルメンとイレーネが読んでいる本の内容について話しているのは、丁度席を外していたので聞いておらず。
ライヒアルトがゲルダを気遣うのには、ふわり微笑むだけで口を挟むことはしなかった。
ユリアンやミハエルたちとも一緒にお茶をして、しばらく過ごしたものの。]
…ベッティ、遅いな。
[そう呟き宿の方に視線を向け、彼女を呼んでこようと立ち上がり。
ゲルダ達も共に来るなら、一緒にベッティを呼びに部屋へと向かうも、自室で眠っている彼女を見つければ無理に起こさない方が良いかと、声はかけぬまま食堂へと戻った。]