─ 二階・客室 ─……そ、だね。疑う理由、俺にもない。あのひとだって……力が、示さなかったら。刃、向ける必要なんて、ないくらいだったもん。[けれど知ってしまったから、そのままですますわけには行かなかった。その事自体に悔いはない──あやまらない、と決めたから]……ん。ありがと、ユリさん。[疑っていない、という言葉に浮かぶのは笑み。少年の安堵を感じてか、黒猫が喉を鳴らした]