─ 浜 ─
[老人の答えを受け、ひとつ頷く。
目減りした軟膏の蓋を閉め、空になった幾本かの水の筒も閉め。
全てを籠に収めて閉じる]
どうする?浜に残るか、自宅へ戻るか。
怪我の程度もある故、自宅に戻って貰いたいが。
[老人は暫く浜を――海の先を見詰めた後に、自宅へ戻る事を選んだ。
ひとつ頷き、籠を右腕に掛けて老人に肩を貸す]
済まないが、家まで送ってくる。
……また後程、食事でもとりながら話を聞かせて欲しい。
[エーリッヒへ謝罪をひとつ、落とす。
代わろうとするならば、補充したいものがあると伝えて。
そうして一度、浜を離れて行った**]