― 広間に入る前 ―
[自分では確り立っていた心算でも、年上だからと張った虚勢は通じなかったのだろう。気付けば支えられていた>>113。]
あ、……ごめんね。ミハエル君。
ユーディットも、ごめんなさい。…有難う。
[同じ状況に立っているにも関わらず、周囲を案じる落ち着きを持つミハエルには頭が下がる。情けないと思いつつも有難く手を借り、よろけそうに成った歩みを支えてくれたユーディット>>118にも、謝罪と感謝とを向けるが]
…?
[そのユーディットの細腕は、女性として想像したものよりも力強く感じた気がした。同時に、その腕に昨日刻まれていた蒼い花を思い出す。幻燈歌に、それを思い起こさせる句は無かっただろうか。
昨日は苦笑したユーディット>>116の心の内も解らず、ゼルギウスもユーディットに視線を向けている>>115横で、迷った挙句、案じるようにも相槌を返すだけに反応を留めたけれど。]