―西殿・結界前―
[今にも冬眠してしまいそうな若焔を、機竜が慌てて部屋へと引きずっていく。
あの様子だと、毛布を三重にも四重にも被せそうだな、などと感じながら。
「ダーヴの馬鹿ー!」とかそんな声が聞こえてきたかもしれない]
[姿勢を直そうとするエルザの姿を見ると、心配そうに]
あれほど皆に言われたでしょうに。……といっても、仕方ないですね。
歩いて、部屋まで戻れますか?貸せる肩が無いのだけれど……。
ザムエルに任せるのもあれだから、クレメンスかアーベルか……
[そこまで言ったところで、辺りを警戒して見て回っていたティルが戻ってきて。
「大丈夫かよっ!?ふらふらじゃんかっ!」などと、エルザに声を掛けたろうか]