[それでも、ないていても逃げられないのはわかっているから。目の前にさらさらと落ちてゆく七色の滝を見つめた]るる、ら。《我が同胞たる翠樹の御霊。我に応え、力を与えん》るるる、りぃりぃ。《鋭き枝の一閃を、絶え間なき力の流れへと》[歌うよな詠唱にあわせ、しおれがちだった真紅がぽんっ、と上を向く。周囲の七色の砂が揺れ、そこから急速に伸びてきた木の枝が、槍の如き鋭さで目の前の流れに突き刺さった]