―第三階層・通路―
<マニュアルに従い、臨時プログラムを起動します>
[機械犬の脳内で流れる機械音声は、放送>>#2とも似たもの。
それに従って、これまであまり使われることのなかった生体脳が動き出す。
これにより、攻撃を受けたからと自動的に報復することはなくなった。
代わりに、生体脳の下す判断を行動に結びつけ、それによっては如何なる相手でも攻撃することが赦された。
もしも嗅覚センサーが働いていたなら、PMCを嗅ぎ分け行動に活かすことが出来たかもしれないが、今は停止しており――]
[それらの変化を内包しながら、2人を見上げる機械犬。
見た目の変化と言えば、瞳の赤い光が明滅から継続点灯に変わった程度。
スティーヴの視線>>139に応えるように、垂れた尾が一度はたりと揺れた**]