―外―
[ライヒアルトとナターリエの様子を見て、死んでいるクレメンスを見て、小さく呼気をもらした]
中、入るよ。
入って。
[声はそっと二人を促す。
動かないようなら、そっと頭を撫でて。
それからもう一度、中に戻って、と告げて]
…彼が朱花だったなんてね。
[その背の模様は見えていないはずなのに、小さく呟いた。
何にせよ、ナターリエとライヒアルトを室内に戻す。ライヒアルトへは浴室も勧めるけれど、動かないならそのままにして。
誰かが来るなら暖炉を任せて、クレメンスの死を告げる。
それは淡々とした態度になっただろうけれど、そのまま、ホットミルクを入れると厨房へと行くのだった**]