─ 中庭 花壇 ─
[さすがに、というか、この時期は花の種類も限られる。
今、目を引くのは色とりどりのプリムラか。
それ以外にも、地植えにされたハーブも幾つか見受けられるここは、音楽室とはまた違った意味での憩いの空間だった]
ん、今日もいい色。
[花壇の前に膝をついて、小さく呟く。
よほど天気が荒れているのでもない限り、一日に一度はここの様子を見に来ていた]
しかし、そっかあ……オードリーさんが来る時期、か。
そろそろ、向こうにも顔出すよう、かな。
[色鮮やかな花弁をちょい、とつついて独りごちる。
その呟きに答えるように、花が風に揺れた。**]