……あ……あー。
大浴場。
そうなんだ。
[こちらの奇声にも動じた様子のないメイドに、張り詰めていたものが違う意味で、切れる。
一体いつからいたとかどっからでてきたとか、言いたい事は色々あるが、言葉にはできなかった]
……ちなみに、男女別?
[代わりに投げたのはこんな問いかけで。
それに、メイドは首を横に振った。どうやら、男女別にはなっていない──つまりは混浴であるらしい]
「支度は常に整えてございますので、こちらもご自由にお使いくださいませ」
[そんな言葉と共に礼をすると、メイドは踵を返して立ち去っていく。
その姿が見えなくなると、はあ、と深く、息を吐いた]
……心臓わるー。
[口をくのは、こんなぼやき]