─ 集会場 広間 ─
[中に入り、空気の暖かさにほっと息を吐く。
戻るのと前後して、湯を使っていたらしきクレメンスが戻って来たか]
……遅くなりました。
それで、村への道の事ですが。
[雪崩による状況と、復旧までにかかりそうな時間。
それらについて、端的な説明をする様子は、自衛団長と問答していた時よりも一層冷ややかで。
親しいものであれば、さすがに異変の断片を感じうるか。
その後の、ミハエルとクレメンスの責任云々のやり取りに天鵞絨は僅かに細められ]
……元より、伝承の……『幻燈歌』の再現を求めた時点で、団長殿、並びに自衛団はそこを承認しておられるはず。
中央からの書簡の事もありますし。異論自体出はしないでしょうよ。
[ごく静かなまま、そう、言い切った]