[集中しているらしきウェンデルの様子に微かに真紅を細め。
次いで、飛来した氷の短剣は──]
……てえいっ!
[掛け声と共に『魔本』一閃、叩き落して]
仕掛ける。ラヴィーネ、あわせろっ!
[その場に膝を突いた姿勢で力を均し、五体の異界龍に沿わせる。
舞い散る真白は力の光]
界と我を結びし我が盟友、我が意にそいて、疾く、猛く、舞え!
……異界龍・舞!
[解き放つ呪に応じ、場に響くのは咆哮の五重奏。
螺旋描く乱舞の如き動きで舞う龍は二体ずつがウェンデルとイレーネ、それぞれに向かい。
最後の一体は中空に浮かび、歌うような咆哮を上げた]