─ 二階6の部屋 ─
箱と一緒に溶解してしまった資料には、
『 結晶多形を解析すると
不完全でいびつではあるが、
ある星座の形が見える 』
──と書かれていたんだ。
結晶多形がどのような形で見えるのか、
専門家ではない私には資料から読みとれずだったのだが。
端的に確信には触れられないと言った書き方だった。
それが私には密告が真実に感じられたのだ、当時。
私達は、ピューリトゥーイ[のところで声を低くして]だけじゃなく。最終的にゼルギウスに対抗する──必要があるんじゃないか。
そんな風に考えているよ、ライヒアルト。
[そこまで言い終えてから、起きて周囲に居る者達の反応を伺った。出来れば、ハインリヒの意見も聞きたかったのだが、彼はそこにはいない。
オトフリートの石像に視線が流れた時、シャッターの音が聞こえた。]