―朝・宿屋― ……自衛団長が殺された。 そう、か。……それは、参ったな。[駆け込んで来た自衛団員がもたらした、とびきりの凶報。商売どころか、身の安全すら危ぶまれる事態に女は顔色を失くす] で、やはり、人狼の仕業で、……間違いないのかい。 なんだ。……君は現場を、見ていないのか。[ライヒアルトから遺体発見の報を受け、人狼容疑者の集められた宿屋を見張るため、慌ててやって来たのだろう。団員の顔にはあからさまな畏れと警戒の色が滲んでいた]