― 三階・書斎 ―
[書斎の扉を開ければ、真っ先に目に飛び込むのは先に見た鮮やかな紅。
ベルナルト>>133の一歩後ろで、ぎと女主人を睨むけども、女主人は微笑を崩さず。
ベルナルトの問いにも、曖昧で。]
―――……。
[得体の知れない女だと。
いや、この屋敷そのものが、得体の知れないと、その微笑に思う。
男に想像がつくのは、この女は楽しんでいるのだろうということだけ。
ベルナルトが話を切り上げれば、もう用はないとばかり軽く首を横に振る。
ベルナルトに続いて部屋を出る直前、足を止め、女主人へ振り返り。
自身の左目の目尻あたりをとんと指差し、ダメ元で問う。]
……アンタ、なんかした?
[やはり帰ってくるのは微笑のみ。
男は、邪魔をした、と一言残して扉を閉めた。]