学長…まさかとは思いますが、最初から、アレが発動するのを狙っていた、なんてことは…
[…だとしたら、つじつまが合ってしまう。と、気付いて、男はにこにこと笑う学長を窺い見た。先に探し出すことの出来るオトフリートではなく、動き出した後に感知する力を持つ自分を協力者として選んだことの、その意味が]
『ナイトハルトくんは、随分と色々学ぶことが出来たようですねえ。協力をお願いした甲斐がありました』
[答えになっていない答えを返し、うんうんと頷く学長の表情には些かの変化も、動揺ももちろん無い。そして次の言葉をかける前に、その姿はかき消えた。まるで、その存在そのものが幻ででもあったかのように]
………
[虚空をしばらく見つめていた男が、やがてがっくりと肩を落としたのは、やっぱり仕方ないのではなかろうか?**]