─ 黒珊瑚亭 ─[カルメン達が2階に上がる頃に黒珊瑚亭にやってきたために、カルメンの服の惨状は目にすること叶わず。徐々に食堂に集まる人達を1人1人視界に収めた。声をかけるにしても、何を話して良いか分からず。自衛団長のことを聞いたために、集められた者達に課されることについてばかりが頭を巡る]誰を、だなんて…。[零れる声は小さく、喉を潤わせた割には掠れていて。両手に握るグラスの中で、水面が小刻みに揺れた]