― 大広間 ―
[ボクはその時未だに“ベルナルトさん”の顔と名前が一致していなかったし、彼が話している時には丁度濡れタオルを取りに行っていたしで、アレクセイさんに>>129答えることは出来なかった。
彼が去った後で、手持無沙汰なボクは何気なく窓の近くに移動した]
あれ……?
[雨は変わらず降り注いでいたけれど、あれだけ激しい雨なのに、窓は雫が垂れることもなく綺麗なままだった。
よく見れば、窓のすぐ近くには雨は降っていない。まるで避けているみたいだ]
こんな降り方するんだっけ、雨って……
[それとも上に庇でもあったかと、窓硝子にはりついて上を見てみようとする]