じゃ、外で待ってるね。
ちょっと冷えただろうし、ゆっくりしてってね。
[ミハエルにはいつも通りにそう返したが、普段は全く意識しない部分が出てきてしまい、早いところ外に出たかった。
そんなわけで再び扉の前に立つと、ふぅっとひとつ息をついて落ち着こうとする。ついでに青痣を見た当時の事や、さらには昔、自分が女装し始めた経緯などを思い出していた。]
……なんて言われたんだっけ。
「おまえに私の気持ちなんか判らない」……だったっけな。
[切欠になった言葉はうろ覚えだ。もしかしたら慣れない環境の変化に疲れて見た夢だったかもしれない。
ただモルゲンシュテルンの若様だと知らされていた人が、少女だと知ったから自分はこんな格好をしているんのだ、という事実は変わらない。
ミハエルが性別を偽っている本当の理由、まではしらない。
ただミハエルも知らないだろう。彼女にその痣がある事を知ってから暫く後、同じような青い入れ墨を、自分の身体に掘ってもらった事を**]