[佑が狼だったら。すくなくとも、彼が襲われる心配はなかったのに。彼になら、襲われても、恨まないでいられると思ったのに。そんな、不謹慎なことを思って出た呟きは、幼馴染をまた困らせただろうか。守る、という幼馴染の顔を見つめてから桜子に視線を落とし、一人にしてごめんね、と小さくささやいた後伸ばされた手を取り立ち上がって。]私は…佑が私のせいで、傷つくのは、イヤ。だから…私が襲われてもかばったり、しないで。死なないで。[そう、幼馴染の瞳を見つめ、願った。]