― 回想 ―
[温かい紅茶を飲みながら、先ほど思い出しかけた事を思い出そうと考えてみる。
ひとつは、すぐに思い出せた。
いつも長袖を着て腕を隠している幼馴染の腕にある青い何かを、何かの弾みで見た事があった。
「それなに?どこかにぶつけたの?」と、青痣だと思って訊ねた時。
幼馴染の挙動がものすごーく不自然になった覚えがある。
なんとなく、自分の胸の蒼花に似ていたような気もしたが、一時的な痣だと思っていたので、すぐに忘れてしまったのだった。
そして、もうひとつは………]
『ミハエラには、伯父さんがいるのよ』
[幼い頃、たしか母がそんな事を言っていたのだったか]
『とってもヤンチャな人でね。だけど、本当はとても優しい人。お父様は、少し兄さ……ミハエラの伯父さんに似ているわね。身長以外は』
[とても懐かしそうにそう語っていた母。
その伯父さんはどこに居るのか、と訊ねたが。母も知らないのだといって、寂しそうに笑っていた]