―ちょっと前・儀式ってやつが始まった時あたり―
うーん…………………はっ。
[目が覚めたら、近くにリッキーがいるのは分った。
あたいに始まるぞ、って声をかけたかもしんないし、そういうのは別の奴が言ってたかもしんない。
とにかくあたいは何が始まるのかは、よく知らなかったんで、周りの奴らが見てる方向をあたいも見る事にしたのさ。
出てきた奴らをみて、あたいは微妙な顔をしてやった。
一瞬、女王って言われてる奴と目が合った。
そいつはあたいに向かって笑みを浮かべてた――ように見えた。
それを見たあたいは、リッキー達に気づかれないようにゆっくり屈んで、人の足元を掻き分けそこから逃げ…違うな、“せんりゃくてきてったい”ってやつをやったのさ。
何か声がして、音楽が鳴ったけど、そういうのは全部見なかった。
途中で小さい妖精とかの邪魔して文句言われたけど聞こえないフリしたから問題ない。
人垣からでたあたいは、真っ直ぐ教えてもらった館がある方へと飛んでったんだけど、後々考えたら館じゃなくて別の場所だったかもしんない。
とにかく、そこに居たくなかったのさ。]