[風の魔力は本で中和されてしまったのか。
予想以上にあっけなくはたき落とされた短剣には軽く肩を竦め。
周囲の精霊と同調しようとした時だった]
え、なん…。
[そこに混じった炎の気配。
最初から分かっていればそこまで動揺はしなかっただろう。
だがこちらに向かってくる異界龍と、キラキラと周囲を取り巻き始める何かと。大技に備えて集中していたものだから]
…や、だ。
こない、でぇぇ!!
――氷雪の王、全てを吹き飛ばしてーっっ!!!
[集中力だけはしっかりと。でもその意識は制御にあまり振り割かれていない氷の嵐が吹き上がった]