― 聖堂 ―[他には殆ど意識を向けない。独り苛々と、ぐるぐると考えを巡らせて]…… 無理。やっぱり隙でもなきゃ、殺せない。[ぽつりと呟く声は小さく、暗い]あんだけ言っても、男は役に立たないし。…… いっそ、[あの時みたいに。脳裏に浮かんだ考えを払うように、首を振る。――まだ、そうやって振り払うことができた]