『そうですか。兄は、やはり何かの罪を?』
『うむ。私は見なかったが、腕に烙印があるそうだ』
[そこは話さないという約束はしなかったらしい。即答だった]
『そうですか。昔から、ほんっとーーーーーにヤンチャな人でしたからね』
[しみじみと言って、大きなため息を吐いた母。
後にその会話の意味を知った時は、烙印押されるような罪を犯す事まで『ヤンチャ』の一言で片付けるような女性だからこそ、あの父と夫婦なんてできたんだなぁ…と納得した]
(………烙印。
で、伯父さんって母上の兄なんだから、当然この村の出身、だよね)
[思い出した事を考えて、もう一度クレメンスの方に視線を向けたりしたかもしれない]