[目を閉じて、力を凝らす。
気脈を読む術は、自分にはない。母が長けていたというその術を引き継げなかった事が悔しくあるものの、今は]
……アタシの力で、できる事をする。
[小さく呟き、島を包む結界、その力を辿ろうと試みる。
護り手の力は、結界を操る術。
リディアを封じた事で状況が変わっているなら、ここにも変化が生じているだろう、と。
そう、思ったのだが]
……特別、変わった様子は……ない?
[リディアが『虚』に捕らわれていたにしろ、いないにしろ。
結界の強度が変わらない、という事は、即ち]
……『堕天尸』はまだいる……って事か。