人狼の伝承はロミやカヤでも聞いたことがあろう。けれどあれはただのお伽噺ではない。現実にもおるのじゃ。人狼というものはの。[否定の言葉が上がっても、取り合わずに先を続ける]牙と爪を持ち、人を食らう存在。儂はその存在を、直に知っておる。[常につけていた手袋を外し、左手の甲から腕にかけて走る古傷と、傷を覆うように埋め込まれた銀を。右手の甲にも刻まれた結社の印を見せた]これが証拠じゃ。人狼の牙を受けた跡と、結社の印。儂は人狼を滅ぼす結社に所属する一人だ。