―朝/玄関外―
[背後からナータの嘆きが聞こえても動かなかった。>>135
震えも止まり、ただ虚を隠そうとするように抱いていただけ。
>>141ゲルダに呼ばれて。触れられると嫌がるように首を振る。
甘い香りを感じるのは、固まってしまっても血の残る躯を抱いているせいだろうかと思う。ああ、このままでいたら。また]
……分かった。
でも。クレム、このままは。
[無表情に言うが一人では引き摺ってしまう。
ナータに名を呼ばれて、このまま運ぶのは諦めた。
一度その場に横たえ直し、ケープを外すと顔から胸に掛けて。
促されるままに歩き出す]