[落ちたベルトを拾い上げはしなかった。“その先”を見せられているようで 眼を逸らす。包帯をきっちりと巻きなおされれば自分の手を手で撫でて、確かめるようにそれを幾度か繰り返した。]そうね、……慣れているのね。研究員は、怪我の治療にも慣れてますの?[ゆるく首を傾げると亜麻色の髪がさらりと落ちた。頚の数値には気づかない。]……?いいえ、 さして痛まないわ。[其方こそが、恐らくは症状。]