─ →厨房 ─
[ひょこ、と左足を少し庇いながら僕は歩き行く。
この大広間は食堂を兼ねているようだったから、近くに厨房はあるはずだ。
食堂であるこの部屋と部屋続きになっている可能性もある。
ロングテーブルの奥の方を見てみると、別方向に扉が二つあるのが見えた。
確認してみると片方は廊下に出る扉だった。
廊下に出て厨房を探しても良かったけれど、もう一つの扉が気になる。
入ってはいけない場所だったら鍵がかかってるだろうし、と考えて、僕はあまり躊躇うことなくその扉を開いた]
……お、当たり?
[開いた扉の先には調理場があった。
一般的なキッチンとは訳が違う、とても立派な厨房。
扉を開いた状態で、僕は少しの間呆気に取られながら中を見回していた]