残念ながら、めちゃくちゃ馬鹿だ。月の女神サンに逆らって正気を保つ方法なんて、他に考えられなかった。
もひとついうと、今までも出来合いのお肉で満足して来たから、人なんて狩ったことねーし。
[『場』にあるものに支配されゆく者ら。それはクレメンスもそうであり、ゼルギウス、ミハエル、ライヒアルトもそうだった。
苦痛には耐えられても快楽には抗えない。だからこそ――そんなもの、憶えてしまわないように。自らの牙や爪で狩りなど、1度もしたことがない]
あほ、クレメンス先生
そんなあぶねーこと、俺にするなよ! つっか、あんたはそんな危ないことやるな、ミハエラの伯父さんなんだろ! もっと自分のこと大事にしろよ!
あんたは生きてここから出られるんだから。