[からかい混じりに、でも半ば真剣に化粧を勧めてくれる兄貴に、ボクは懐かしい面影を見る。ボクたちの両親は、既に亡い。病でぱたぱたと死んでしまったから、ボクら家族は二人きりだ。兄貴はそれから、薬草の研究に傾倒した。両親の死が原因であったかと思うけれども、直接訊ねてみたことはない] そういえば、ロランが熱冷ましの薬欲しいって。[出掛け前に伝言>>0:150を言い置いた。もう時期だから、そろそろ作り置きがあるはずだろう。そう推量して、ボクは家をあとにしたのだ]