─ 広間 ─[クロエが行ってしまった後、しばし、どこか遠くに意識を飛ばすが如く立ち尽くしていて。ライヒアルトがやって来た時にも、すぐには反応できなかった。翠が目の前の現に向いたのは、少女の声>>162と、扉へ向かうユリアンの姿>>165を認識してから]……ビーチェ、お前。なんで、そうまでして……?[自ら血に濡れようとするのかと。一つの事象から、意識を逸らし続ける青年の理解はそこに及ばない]